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「春よ恋」「はるゆたか」で国産小麦粉のパンが膨らまない問題を解決

国産小麦粉

国産小麦粉のパンは膨らまない

国産小麦粉でパンを焼くと膨らまないですよね。
ステイホームで自宅でパンを焼くことが増えたのですが、皆さん同じみたいでスーパーの強力粉はいつも品切れ。
でもちょっと値の張る国産小麦粉ならネットで買えるので、国産小麦粉でパンを作っています。

国産小麦粉は、一般的に小麦タンパク質のグルテンの含有量が少ないため、膨らみにくいのです。
その分、灰分が多くて小麦の風味が強くおいしいのですけどね。

一般的な外国産の強力粉のグルテン含有量は、11.5~13.5%なのに対して、一般的な国産強力粉のグルテン含量は、せいぜい10%です。
このグルテンの含有量の差が、パンが膨らまない原因なのですよね。

「春よ恋」、「はるゆたか」、「ゆめちから」ならふんわりと膨らんだパンができる

国産小麦粉でも北海道産の品種なら、グルテンの含有量が高いものがありますので、そういう小麦粉を選ぶことでふっくらしたパンを焼くことができますよ。

私のおすすめは、「春よ恋」、「はるゆたか」、「ゆめちから」の3種類です。
いずれも北海道産の強力粉です。
「春よ恋」、「はるゆたか」はともに、春まき小麦と言って、4月中旬から下旬にかけて種をまいて、8月中旬に収穫する小麦です。
対して「ゆめちから」は、秋まき小麦と言って、9月下旬から10月上旬に種をまき、翌年の7月下旬に収穫する小麦です。

春よ恋は2000年に、はるゆたかの改良品種として登場しました。

はるゆたかは1985年に登場した、初の国産小麦の強力粉として有名な品種です。
はるゆたかは栽培が難しかったため、これを改良して春よ恋ができたんです。

そして2009年にはゆめちからが、タンパク質グルテンの含有量が非常に多い待望の品種として登場しました。

「はるゆたか」はグルテン含有量が11.5%です。
そして「春よ恋」は11.8%です。
さらに「ゆめちから」なら14%と、外国産小麦粉並みのグルテン含有量です。
この位の割合でグルテンが含まれていれば、特に工夫をしなくても、ふっくらと膨らんだパンを焼くことができます。

私の個人的な感覚では「はるゆたか」が一番ふっくら柔らかなおいしいパンができると思います。

国産小麦粉でふっくらと膨らんだパンを焼くコツ

国産小麦粉でパンをふっくらと焼くコツは、水分・温度・湿度にあります。

国産小麦粉は今まで書いたとおり、小麦タンパク質のグルテンが含まれる量が少ないため吸水量が少ないのです。
そのため、グルテンの含有量の多い外国産の強力粉で作ることが前提の一般的なパンのレシピで作ると水分量が多すぎて、膨らまないパンになってしまうのです。

水分量は一般的な外国産の強力粉だと小麦粉に対して70%程度(小麦粉100gに対して水70ml)ですが、国産小麦は水分量65%程度(小麦粉100gに対して水65ml)で作るのが最も良いそうです。

また、グルテンが少ないため発酵状態を理想的にしないと膨らまないパンになりがちですから、イーストが活動するのに理想的な、温度28~40℃、湿度70~80%の一定の環境に置いてあげることが大切です。

冬なら部屋を少し暖かめに湿度を高めに、夏なら冷水を使ったりして温度が上がり過ぎないように調節が必要なのですよね。

まとめ

  • 国産小麦粉はグルテン含有量が少ないため、国産小麦粉ののパンは膨らみにくい
  • 国産小麦粉でもグルテン含有量が多くてふっくらしたパンが焼けるのは北海道産の小麦粉
  • 国産小麦粉でパンに向くのは、春よ恋、はるゆたか、ゆめちから
  • 国産小麦粉でふっくらと膨らんだパンを焼くには、水分、温度、湿度に注意