ズワイガニとタラバガニの違いは?
甲羅組の「カット生ずわい蟹」が楽天年間ランキングの食品部門1位なのを見て、カニがとっても食べたくなりました。
ところでズワイガニとタラバガニの違いが気になったので調べてみました。
ズワイガニはズワイガニはカニ類「クモガニ科」に属します。
「クモガニ科」の中ではズワイガニは大型のカニですが、「クモガニ科」にはズワイガニ以外にも、ハサミを広げると3mにもなる巨大な「タカアシガニ」や、小さなものでは甲羅の大きさが1cmにも満たない「マメツブガニ」や「ヤワラガニ」などが属します。
ズワイガニは日本海、オホーツク海、北太平洋沿岸域など広い範囲の深海に生息しますが、カナダ、アラスカ、ロシア、北朝鮮などの外国からもたくさんのズワイガニが輸入されています。
ズワイガニの仲間として「ズワイガニ属」にはズワイガニの他、オオズワイガニ、ベニズワイ、トゲズワイガニ、ミゾズワイガニがあります。
タラバガニもズワイガニと並んで人気のカニですが、タラバガニは正確にはカニではないのです。
ズワイガニは脚が10本ですが、タラバガニは脚が8本しかありません。
実は「タラバガニ」はカニではなくヤドカリの仲間です。
タラバガニの他にも、カニという名前で食用にされているヤドカリの仲間には、「ハナサキガニ」、「イバラガニ」、「アブラガニ」などがあるのです。
ズワイガニのブランドガニ色々
ズワイガニは水揚げされる地方によって名前が違います。
そのうち特に美味しいズワイガニはブランドガニとして有名なものが多いですね。
そしてズワイガニはオスとメスとで名前が違うことも一般的なのです。
以下にズワイガニのブランドガニのうち有名なものを挙げてみます。
越前ガニ
福井県で水揚げされるオスのズワイガニが越前ガニです。
越前がには元祖タグ付きブランドガニとして有名ですね。
越前漁港・三国港・敦賀港・小浜港が越前がにの水揚げ港です。
福井県随一の水揚げを誇る越前町は、越前ガニのブランド名の元にもなっている本場の町です。
「越前ガニ」の名称が出てくる最古の記録は、1511年(室町時代)の京都の公家、三条西実隆公の日記にある「越前蟹」だそうです。
この頃すでに越前の国(現在の福井県)ではズワイガニが水揚げされ、京都に運ばれていたのですね。
越前ガニは全国で唯一の皇室献上ガニでもあり、古くは明治43年に越前町(旧四ヶ浦町)で水揚げされた越前ガニを皇室に献上した記録が残っているそうです。
甲羅に黒いツブツブがたくさんついているのですが、これはカニビルと言って、たくさんついている越前ガニほど美味しいそうです。
マツバガニ
京都・兵庫・鳥取で水揚げされるオスのズワイガニはマツバガニ(松葉ガニ)と呼ばれます。
松葉がには11月上旬から3月の波の高い冬の日本海で獲れます。
鳥取県では11月第4土曜日が「松葉がにの日」とされていて、産地の鳥取市や岩美町の漁港でイベントを開催しているそうですよ。
松葉ガニにも越前ガニと似たブランドタグがあり、甲羅幅11センチ以上で高品質の松葉ガニにタグが付けられて市場に出荷されます。
マイセツガニ
秋田県のブランドズワイガニはマイセツガニです。
男鹿漁港で水揚げされるオスのズワイガニで12月25日~2月末日に水揚げされるものをそう呼ぶのだそうです。
800g以上で脚が揃っているものという基準があります。
カノウガニ
石川県のブランドズワイガニはカノウガニです。
石川県内の漁協が平成18年に一つに統合されたことをきっかけに、県産ズワイガニのブランド化を目指して一般公募で決まった、まだ新しいブランド名です。
漢字で書くと「加能ガニ」で加賀の「加」と能登の「能」を一文字ずつ取ってつけられた名前です。
ズボガニ(ミズガニ)
越前ではズボガニとも呼ばれる水ガニは、脱皮して間もなく甲羅がまだ柔らかいズワイガニを指します。
身が少なく水っぽく、殻から身がズボッと抜けることから、ズボガニと呼ばれるそうです。
ミソも少ないので、足と肩の身だけで流通しています。
食べやすくみずみずしいため、越前ガニより好きという人もいるほど。
価格も手頃ですが、身が傷みやすく保存がきかないため、地元越前でしか食べられないカニです。
セイコガニ
メスの越前ガニをセイコガニと呼びます。
サイズは雄がにの3分の1ほどですが、甲羅の中にカニ味噌がぎっしりと詰まっていて、殻の中には内子(うちこ)と呼ばれる卵を抱いています。
内子は「赤いダイヤ」とも呼ばれて、とてもおいしいものです。
腹に抱えた卵の外子(そとこ)は、ツブツブの食感が楽しめます。
値段もリーズナブルで美味しいセイコガニですが、資源保護のため漁期が11月上旬から12月末までの2か月ほどに限定されていて、貴重なものです。
コウバコガニ
コウバコガニは石川県で水揚げされるメスのズワイガニです。
コウバコガニの名前の由来ですが、子を持っているから子箱、日本海の香りを秘めているから香箱、など諸説あるそうです。
コッペガニ
コッペガニは山陰地方の日本海の漁港である津居山港、柴山港などで水揚げされたメスのズワイガニのことです。
オヤガニ
鳥取県で水揚げされるズワイガニのメスをオヤガニと呼びます。
ズワイガニとタラバガニはどちらがおいしいの?
ズワイガニの身は柔らかくてコクのある濃厚な味が特徴です。
また、カニ味噌がおいしいのもズワイガニですね。
タラバガニは脚にぎっしりと詰まった身が特徴ですが、ズワイガニと比較するとやや味は淡白で、カニ味噌は量が少なくあまりおいしくないのがズワイガニとの違いです。
ズワイガニとタラバガニの値段の違い
カニは一般的に重さで値段が決まりますので、比較的サイズの大きなタラバガニの方が、一杯当たりの値段はズワイガニよりも高くなる傾向があります。
しかしタグが付いているブランドガニかどうか、脚がそろっているかどうか、その他さまざまな要素で値段が決まってきますので、一概にズワイガニとタラバガニではどちらが高いとは決められないようです。
ズワイガニ、タラバガニ以外のカニ
ズワイガニ、タラバガニ以外のカニとしては、以下のようなものがあります。
花咲ガニ
花咲ガニは、タラバガニと同じヤドカリの仲間です。
北海道根室にある花咲港で水揚げされることが名前の由来ですが、ゆでた時に真っ赤になって花が咲いたように見えるダブルミーニングなカニです。
とてもおいしいカニですが、漁獲量が制限されているため、貴重な高級品として知られています。
毛ガニ
毛ガニは日本海沿岸、茨城県以北の太平洋岸からアラスカ沿岸まで、太平洋北西部とその縁海に広く分布しますが、北海道近海で獲れたものが特に美味しく人気があります。
毛ガニは全体が淡赤褐色で表面に短い剛毛が密生していることからその名前が付きました。
ズワイガニやタラバガニと比べるとサイズが小さいのですが、身がギッシリと詰まって蟹味噌がたっぷりで甘い最高級のカニです。
まとめ
- ズワイガニとタラバガニの違いは本物のカニかヤドカリかの違い
- ズワイガニには様々なブランドガニがある
- ズワイガニは身にコクがありカニ味噌が多くて美味しい
- タラバガニは脚に身が詰まっているのが特徴で、身はやや淡白でカニ味噌は少ない
- ズワイガニ、タラバガニのどちらが美味しいかは好みの問題
- 花咲ガニ、毛ガニもそれぞれの美味しさがある